TERRADA ART AWARD 2021 片岡真実賞 受賞

「Steps」「TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展」にて片岡真実賞を受賞しました。

<最終審査員コメント> 持田敦子は、都市景観の一部でもある工事現場の単管パイプと木材で、行き先の不確定な、いわば無用の螺旋階段をインスタレーションとして構成した。とりわけ3D曲げパイプによる構造は工業素材を立体作品へと転換させるための中心的役割を果たしている。彼女がこれまで既存の建築物に介入してきた仕事は、1970年代に家を切断したゴードン・マッタ=クラークを連想させるが、今回の寺田倉庫の空間では、周囲のコンクリート壁や配管などとも一体化し、収納された倉庫内で成長し続ける有機的な螺旋階段となった。芸術をオンラインで体験することの可能性と限界も見えてきたこの時期、空間に果敢に挑戦した持田の作品は、その不確実性や非生産性も含めて、今日的体験をもたらすだろう。
(片岡真実/森美術館 館長、国際芸術祭「あいち2022」 芸術監督)

< News