Rethink in Tokyo / 帰国展
2018
距離、その落下、その痕跡について
2018年
「近くへの遠回り」帰国展
場所:
場所スパイラルガーデン
国際交流基金主催

キューバで実現しなかった12mの階段を、東京で再度挑戦した作品設置と、キューバでの経験を再考察するトークを行った。充実した設備と多くのプロフェッショナルのおかげで階段は一晩で完成した。しかし安全上の問題で、鑑賞者が登ることができるのは4分の1程度までとなった。




トークイベントでは、キューバ人であるウィフレド・ラム現代美術センターキュレーターのブランカ・ビクトリア・ロペスとキューバでの作品制作の全プロセスを共有し直した。
彼女が東京での施工の現場を見て大きなカルチャーショックを受けたように、私がキューバで衝撃を受けたこと理解し、現地での生活のリアリティを交えながら何故それが起こったのかを説明をしてくれた。
特に現地ワーカーが、できると言い切っていたことが達成できなかったり、締め切りを守らなかったり、素材をいつの間にかグレードダウンしていたりした事について、私は「嘘をつかれた」ように感じてしまっていたが、彼女はそれについて「キューバにおいて、最初から『できない』ということは簡単だ。でも彼らは常にできると信じ、実際になんとかやり遂げていた。」と話してくれたことで、自分の視野が非常に狭かったことに気づかされた。
メインのワーカーが作業中に笑いながらこう言っていたことを思い出す。「キューバ人のいいところは、決してあきらめないこと。」「どんなに困難か、彼女(私)は全然わかっていない」…